上山院長ブログ
2020.10.01
男性型脱毛症:“ハゲ・薄毛”ケアで大切な事
人にとっての“毛”の存在は複雑です。
髪の毛・眉毛・睫毛は、誰もが欲しいものです。
ですがひげや腋毛、胸毛等は好き好きで、私は苦手ですし、女性にはなくて良いものです。人についている毛は美しいものですが、抜け落ちた途端汚らしく感じます。
そのような複雑な毛の問題、特に髪の毛は重要です。
綺麗な髪をしていると、男性、女性問わず素敵に見えます。ファッション性もあり、その人を表現する手段の一つです。
なくなってしまうと、アイテムが失われる喪失感があるようです。
私自身綺麗な髪に対する憧れは強く、良い栄養素をとり、ブラッシング、シャワーヘッド、オイルに拘り大事にしています。
女性のみならず、これは男性でも同じです。
しかし男性は女性と比較すると、男性ホルモンのため、薄毛が進行しやすいのです。
育毛ケアとして、大正解がないため、様々な方法が世の中に出回っているのですが、大まかに分けると以下の4分類で、侵襲性が少ないものからみてみると
1:外用剤(育毛シャンプー、ローション等)
2:内服薬
3:ヘアフィラー(薬剤や真皮等を局所注入)
4:植毛
の順となります。
その中で多くの方が取り組んでいるのが1、2ではないでしょうか。
ここで注意喚起されているのが2:内服薬、5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬(フィナステリド、プロペシア®、デュタステリド、ザガーロ®)です。
あまり表立って言われる事はないのですが、「ポストフィナステリド症候群」についてご存知でしょうか。
ポストフィナステリド症候群とは、フィナステリド成分を含む治療薬の内服によって起こった副作用が、服薬中止後もそのまま継続していることです。
フィナステリドによる副作用は、鬱などの精神面も問題視されていますが、忘れてならないのは、陰茎や睾丸サイズの減少、勃起障害など、性器そのものの不可逆的な変化となる恐れがあること。
非常に少ないと言われてはいるのですが、この副作用が起きても、恥ずかしくて言えず、実際数はもっと多いのではないかと囁かれていたりします。
「ハゲ・薄毛の加療をしたい」と思われる方は、20~40代と見た目も意識される年代である一方、結婚し子供を持つ世代でもあります。
その時期に治らないかもしれない性器障害が起きてしまうのは、かなりショックなことではないでしょうか。
内服薬は危険だという訳ではなく、「安易に加療方法を選ぶ事は、しない方が良い」ということを知って頂きたいなと思います。
脱毛症は命にかかわる事ではありませんが、アイデンティティに関わる大切なことです。
ご自身にとってデメリットがメリットを上回らない、最善の選択をされる事が重要です。
金額や効果、リスク、侵襲性のメリットデメリットを慎重に比較した上で、後悔のない選択して頂きたいと思います。