上山院長ブログ
2020.07.21
分子栄養学症例
50代女性 Aさん
主訴:むくみ、つかれ、体重増加
責任ある立場で正社員として働いており、夜遅くなることも度々ある。しかしもともと元気な方で、ガーデニングや楽器、バレエなど趣味にも勤しんでおり、充実した日々を過ごしている。健康診断では大きな問題を指摘されたことはないが、ここ数年体重増加を認め、むくみやすくなり、疲れがとれない状態が持続している。最近めまいや耳鳴り症状を自覚し、精査したが特に問題なかった。
検査:分子栄養学的採血検査を実施
結果:
・甲状腺機能低下
・ホモシステイン高値
・LDLコレストロール高値
・アミラーゼ低値
・クレアチニン高値
・CK若干高値
・ビタミンD欠乏
・亜鉛/銅バランス不良、亜鉛不足
・ヘリコバクター・ピロリ菌陽性
結果から
・甲状腺専門クリニック紹介
・消化器内科紹介
・亜鉛、ビタミンD、乳酸菌サプリメントフォロー
・食事の見直し
10年以上前に軽度の甲状腺機能低下を指摘されたことがあったそうですが、軽度だったため経過観察となり自然と足が遠のいていたようです。徐々に状態が落ちていったと思われ、本人もあまり気になっていませんでした。最近になり自覚する症状を認め、精査するも特に問題なく、こんなものかなと思われていました。TSH120台と甲状腺機能低下は要精査・治療レベルにあり、専門クリニックで加療開始頂き、同時に当院で全身的なフォローアップをしていきます。
ゆっくりと症状が悪くなると、なかなか気づかないものです。基本的に元気な方は病院から遠のきがちですし、健康診断で指摘されなければ、”問題ないのだ”と判断される方が多いかと思います。ですが、良い状態を維持していくためには、車や建造物のように人も”メンテナンス診療”を定期的にされることが必要だと改めて実感しました。