上山院長ブログ
2020.02.06
アポリポ蛋白Eと認知症の関わり
アポリポ蛋白E(APOE)をご存知でしょうか?
コレステロール代謝の調節に重要な役割を果たしており、ε2、ε3、ε4の3つの対立遺伝子があります。
150以上も報告されている認知機能障害に関わるリスク遺伝子の中で、APOE4は最も強力なリスク遺伝子と言われています。
ε4遺伝子を多く持つほどアルツハイマー型認知症の発症リスクが増大(1つ保有;約3倍、2つ保有;約10倍)し発症が早まることや、脳内アミロイドβ沈着量(アルツハイマー型認知症の発症に影響するといわれています)の増加に正の相関があることが明らかになっています。
アルツハイマー型認知症患者数はこの10年で約6倍に増加し、寿命が延びている現代では更に増えていくでしょう。そんな中未だアルツハイマー型認知症の確実な治療法は見つかっていません。
なぜ治療薬の効果が乏しく、慢性的に進行してしまうのか。それは起因が一つではなく、複数の生活に根差した原因があるからです。薬さえ飲めば解決する疾患ではないのです。
アルツハイマー型認知症を発症する3大原因は「①炎症②栄養不足③有害物質への暴露」と指摘されています。
つまりAPOE4遺伝子を持っていなくても、アルツハイマー型認知症になる可能性は十分ありますし、APOE4遺伝子を2つ持っていても必ずしも発症するわけではありません。
そして他の注目すべき重要因子として、ビタミンD不足やホモシステインの蓄積も挙げられています。
早い取り組み程効果的であり、遅くても40歳頃から生活習慣を見直すことが薦められています。
既に認知症を発症している方でも体質、状態を知った上で取り組むと、改善していく可能性があります。
効果的に取り組むためには、まずご自身の体質を知る事が第一です。
そして持続的な努力も欠かせません。
気になられる方は、一度検査されてみては如何でしょうか。
当院でも検査可能ですので、ご相談して頂ければと思います。