上山院長ブログ
2018.11.19
ほくろやイボなどの除去について
今回ほくろやイボなどの除去について、詳しくご説明いたします。
切除(切縫、くりぬき)かレーザーでの除去になるのですが、どちらにしても傷跡は必ず残ります。
ですが「いかに綺麗な傷にするか」これは形成外科の本業でもあり、大事なポイントです。
ただとればいいというものではありません。
除去後の経過フォローも、とても大切です。
欠点のない方法は今のところありませんので、利点と欠点を天秤にかけ、最もベストな方法をご提案しています。
一般的な“ほくろ”は、母斑細胞性母斑や色素性母斑といいます。
ほくろは、良性腫瘍の一つであり、徐々に大きくなる可能性があります。サイズが大きくなることもありますし、盛り上がってくることもあります。
急速に大きくなったり、自然と出血したり、潰瘍化するなどの症状があると、悪性皮膚がんを疑うことになります。
しかしゆっくりと大きくなるものであれば、良性であることがほとんどですので、心配しすぎる必要はないでしょう。
ただ盛り上がったりすると高頻度に触ってしまったり、自ずと注目しがちです。
病理組織検査に提出し、検査する必要があるものは、切除手術となり保険診療となります。
ほくろの加療は基本的に自費での診療です。
レーザーでの加療も、基本的には自費診療となります。
再度お伝え致しますが、ほくろやイボの除去において、ただ除去すればよいというものではありません。
何をしても傷跡は残りますが、いかに綺麗な傷跡にできるかが重要です。
〇切除手術とレーザー除去について
〈切除手術〉
局所麻酔下に切除します。約1週間後抜糸になり、場合によりその後テープ保護などを継続して頂きます。
利点:再発リスクが少ないです
欠点:傷の長さが腫瘍の約2倍になります
傷が盛り上がることがあります
ひきつれ感がでることがあります
〈レーザー除去〉
局所麻酔下に除去します。腫瘍の大きさによりますが、約1~4週間
被覆材貼付や、軟膏塗布テープ保護の処置が必要になります。
利点:除去範囲は腫瘍より一回り大きめの除去になりますが、創部は縮小して治癒していくので、傷跡は実際の大きさより小さくなります
欠点:切除手術と比較して、再発リスクがあります
大きいと陥凹した傷跡になる可能性があります
特に顔面は治りが良い部位であり、レーザー除去が薦められます。
大きいものほど、傷跡が長くまた大きくなり、その分目立ちやすくなるので、気になった時に除去することが薦められます。
どちらの加療にしても、しばらく赤味がでます。
徐々に落ち着いてきますが、個人差があります。
手掌、足底、頭部の腫瘍は、基本的にレーザー除去はできません。
頸部から下は顔面と比較すると、治癒経過が不良となるため、レーザーでの除去は積極的には勧められません。
しかし腫瘍タイプやご希望により、レーザーの方が綺麗な傷跡になりますので、まずはご相談して頂ければと思います。