上山院長ブログ
2018.09.03
元気の秘訣は調理器具から
ビューティーコアサポート外来院長の上山です。
南部鉄器の鉄瓶が人気ですが、皆様は使っていますか?
伝統的な鉄瓶でお湯を沸かし、それでお茶だけでなく、コーヒーや紅茶を入れるのにはまっている人が増えているそうです。
水道水の塩素除去力が高く、美味しくなることが知られています。
ポットでボタンを押すだけに比べると、手間がかかりますが、そのひと手間が“美味しさや健康”の秘訣です。
鉄瓶や鉄鍋を使用することで、鉄供給に有効であると以前より指摘されていました。
鉄欠乏性貧血ラットに鉄鍋溶出性物を投与し、鉄薬剤に匹敵する効果を認めています。
効果が高い理由には、鉄瓶や鉄鍋から溶出される鉄は2価鉄であり、吸収されやすい形態であるためです。
鉄分摂取だけを考えると、鉄鍋はより効果的です。
鉄鍋で調理するお得なポイントとして、”調味料を使用すること”にあります。
鉄の溶出には“pHが低く、食塩量が多く、加熱時間が長いほど増加する”ようです。
通常2価鉄は3価鉄に転換されやすく、2価鉄は鉄瓶で溶出中の78%が時間の経過とともに減少する傾向にありました。
しかし食酢や食塩を添加した場合は、2価鉄の割合はより多く、時間が経過しても減少が少なく、安定化しているようです。
この結果から鑑みても、元気の源は、やはり”食事”ですね。
包丁を鉄製にするだけでも、鉄量が増加することも言われており、ちょっとした努力次第で変わります。
便利さや時短を求めるだけでなく、まず「体にとってお得かな」を意識されてみてはいかがでしょうか?毎日のちょっとずつが、大きな差になってきますよ。
(参考文献)
及川桂子:鉄欠乏性貧血ラットにおける鉄鍋溶出物の貧血改善効果,家政誌(47)1073‐1078
今野暁子,及川桂子:調理中に鉄鍋から溶出する鉄量の変化,調理誌(36)39-44
細見亮太,下地葵,野口伸之助,他:使用年数の異なる鉄鍋を用いた調理中の鉄溶出量と鉄鍋表面の金属元素の化学状態,TNR(30)17-20