上山院長ブログ

2017.11.23

プラセンタ療法

 日本胎盤臨床医学会の第22回大会が、福岡で開催されました。“ラエンネック”は、元久留米大学病理学教授の稗田憲太郎先生が開発された製品であり、今回工場見学ができる事を知り、参加してきました。プラセンタ組織療法やツボ注射について、また伊藤要子先生のヒートショックプロテインの講演もあり、有意義な大会でした。

プラセンタは“胎盤”の事で、子宮内で胎児を育てるために一時的に作られる臓器です。胎盤は胎児の呼吸や代謝、解毒、排泄、内分泌、免疫、消化の機能を担う万能な臓器です。

by wikipedia

プラセンタ療法の歴史は長く、紀元前から薬として使用されていました。期待されている効果は幅広く、肝機能や更年期障害、腰痛、肩こり、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症、関節リウマチ症状、うつ症状、不眠症、しみ、皺等の改善などが挙げられます。

流通しているプラセンタ製剤としては、注射剤、健康食品、化粧品が挙げられます。その中で注射剤だけがヒト由来で、ラエンネックとメルスモンの2種類があります。

ラエンネック

メルスモン

会社

日本生物製剤

メルスモン製薬

原料

日本人の臍帯+羊膜付き胎盤

日本人の臍帯+胎盤

(羊膜なし)

添加物

PH調整剤、ペプシン、乳頭

ベンジルアルコール

PH(浸透圧比)

5.5~6.5(1.0)

6.8~7.0(0.9~1.3)

投与(添付文書)

皮下・筋肉注射

1日1~3A

皮下

1日1回1A毎日か隔日

保険適応疾患

慢性肝疾患の肝機能の改善

更年期障害、乳汁分泌障害

「プラセンタの有効成分は何だろう?」と思われるかもしれません。胎盤にはアミノ酸やビタミン、ミネラル、様々な成長因子が含まれるのですが、厳重な感染症対策処理を経た後の成分状態はどうなっているか、それはまだ完全には明瞭となっていないようです。

私はラエンネック注射後、γ-GTP値が速やかに低下し、“なんか調子いい”という実感がすぐに得られました。今後さらなる進展が期待できる療法ではないかと思います。

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